『雇用保険の基本手当(失業保険)』失業中の生活費を支援

雇用保険の基本手当(失業保険)

制度について

対象者

雇用保険の被保険者で、失業された方

補助金額

賃金日額(直前の収入)× 45%~80% ×所定給付日数
※収入が低い人ほど給付率が高くなる

申請方法

ハローワーク(公共職業安定所)で基本手当を申請する

所属していた会社を退職し、失業すると、雇用保険の基本手当が支給となります。何らかの理由で失業すると、再就職するまで収入がなくなるため、その間の生活を保障するために作られた制度です。

今回は雇用保険の基本手当(いわゆる失業保険)について解説します。

雇用保険の基本手当とは

会社を退職したり、失業をした方の多くは「失業保険をもらおう」とまず思うでしょう。失業保険は雇用保険の失業等給付制度の中に含まれる基本手当のことを言います。

雇用保険は失業保険と言われる基本手当の他に、休業時や失業時に利用することができる給付制度があります。以下が失業給付に含まれる手当や給付金となります。

基本手当概要
求職者給付基本手当
・技能習得手当
・寄宿手当
傷病手当
・高年齢求職者給付金
・特例一時金
・日雇労働求職者給付金
退職や解雇などの理由で失業したときに、再就職するまでの間の生活費支援をする給付制度
就職促進給付就業促進手当
・移転費
・求職活動支援費
安定した職業に就職できるように支援したり、失業してからすぐに再就職できたときに支給される給付制度
教育訓練給付・教育訓練給付中長期的なキャリアを形成するために必要な費用を支援する給付制度
雇用継続給付・高年齢雇用継続給付
育児休業給付
介護休業給付
出産や介護、定年退職などでも勤務を続けたい方のための給付制度

このように給付制度が数多くありますが、下線部の給付制度が特に利用頻度が多い給付制度です。今回は基本手当について解説します。

雇用保険の基本手当=失業保険

失業保険とは雇用保険の基本手当のことを言います。この基本手当は失業した方が雇用保険に加入していた期間や年齢に応じて今までもらっていた収入の45%から60%を給付金として補償するものです。

再就職希望の方が基本的に対象

ハローワークによると受給対象は以下のようになっています。

雇用保険の被保険者の方が、定年、倒産、契約期間の満了等により離職し、失業中の生活を心配しないで、新しい仕事を探し、1日も早く再就職していただくために支給されるものです。
出典:ハローワークインターネットサービス

基本手当が、求職活動中の生活支援のために作られた制度ですので、1日でも早く再就職したいという方に支給されるものです。つまり再就職する気が無い方はそもそも支給対象外となります。

雇用保険の基本手当を受給する条件について

失業保険は失業している間の収入源として大切なものですが、雇用保険に加入していても失業した方全員が貰えるわけではありません。ここでは失業保険を受給する条件を見てみましょう。

失業保険の受給条件
自己都合退職【正当な理由あり】
離職前の過去1年間、通算6ヶ月以上被保険者であること
【正当な理由なし】
離職日前の2年間、通算12カ月以上被保険者であること
 会社都合退職離職日以前の1年間、通算6ヶ月以上被保険者であること
その他の退職離職日前の2年間、通算12カ月以上被保険者であること

自己都合退職

自己都合退職の場合、退職理由が正当なものかそうでないかで受給条件が異なります。

「配偶者の転勤に同行するため通勤ができなくなった」「家族の介護をすることになった」「病気になって就業が難しくなった」などの正当な理由があれば、「離職日前の1年間、通算6ヶ月以上被保険者」であれば、失業保険の受給対象となります。

反対に「なんとなく辞めたい」など正当な理由が無い場合は正当な理由がある場合よりも少し条件は厳しく「離職日前の2年間、通算12ヶ月以上被保険者」で失業保険の受給対象になります。

つまり雇用保険に加入し1年ないし2年以上勤務している方は受給対象ということになります。

会社都合退職

解雇や倒産、退職勧奨、有期契約の打ち切りなどが理由で失業した場合は、「離職日前の1年間、通算6ヶ月以上被保険者」が受給対象となります。ただし、懲戒解雇の場合は除きます。

本当は辞めたくないのに会社都合でやめなくてはいけなくなった場合は自己都合退職の正当な理由がある場合の条件と同じになっています。

その他の退職

その他の退職は定年退職や有期雇用契約が満了し更新しなかった場合の退職が挙げられます。どちらも労働者と事業主との間で合意があったものとして、正当な理由がない場合の自己都合退職と同じ「離職日前の2年間、通算12ヶ月以上被保険者」が条件になります。

こちらはほとんどの場合要件を満たしているはずので問題ないでしょう。

雇用保険の基本手当(失業保険)の種類と給付額、日数は?

基本手当(失業保険)の支給額

基本手当の支給額は失業後の生活保障や求職活動支援を目的に給付されます。支給額は離職理由によって決まりますが、離職する前の6ヶ月の賃金日額の45%から80%が相場となっています。

賃金日額の計算方法は

休業する前の給与6ヶ月分(総支給額)÷180日=賃金日額

です。

支給額の上限について

賃金日数は年齢ごとに下限と上限が決められています。この金額は毎年8月1日に決定されます。ただし、賃金日額の下限・上限を満たしていても、基本手当日額自体に下限・上限があるため注しましょう。

離職時の年齢賃金日額の上限額基本手当日額の上限額
29歳以下13,420円6,710円
30歳~44歳14,910円7,455円
45歳~59歳16,410円8,205円
60歳~74歳15,650円7,042円
離職時の年齢賃金日額の下限額基本手当日額の下限額
全年齢2,470円1,976円

年齢別給付率と賃金日額

賃金日額給付率基本手当日額
離職時の年齢が29歳以下
2,290円以上4,580円未満80%1,832円~3,663円
4,580円以上11,610円以下80%~50%3,664円~5,805円
11,610円超12,740円以下50%5,805円~6,370円
12,740円(上限額)超6,370円(上限額)
離職時の年齢が45~59歳
2,290円以上4,580円80%1,832円~3,663円
4,580円以上11,610円以下80%~50%3,664円~5,805円
11,610円超15,550円以下50%5,805円~7,775円
15,550円(上限額)超7,775円(上限額)
離職時の年齢が60歳~64歳
2,290円以上4,580円80%1,832円~3,663円
4,380円以上10,460円以下80%~45%3,664円~4,707円
10,460円超14,860円以下45%4,707円~6,687円
14,860円(上限額)超6,687円(上限額)

では実際にいくらもらえるのか一例をご紹介します。

一例

29歳で平均月収が26万円で休業前6ヶ月の総支給額は152万円です。(残業代含め)被保険者期間は15ヶ月とします。

・賃金日額:152万円÷180日=8,444円
・基本手当支給

29歳で賃金日額が8,444円のため、給付率は50%から80%です。今回は50%で計算を行います。

8,444円×50%×90日=379,980円(総支給額)

給付日数は?

基本手当の給付日数は退職の理由によって期間が変わります。ちなみに、長時間労働やハラスメントが原因で退職した場合は、自己都合退職から会社都合退職に変更することが可能ですので、ハローワークに一度相談してみるといいでしょう。

自己都合退職の場合の期間

自己都合で退職した場合、給付期間は以下のようになります。

被保険者の期間
区分1年未満1年以上5年未満5年以上10年未満10年以上20年未満20年以上
全年齢90日120日150日

自己都合で退職した場合、基本手当が支給されるまで、待機期間のほかに給付制限として3ヶ月の制限がかかることありますので、退職したらすぐに申請手続きを行いましょう。

会社都合の場合

会社が倒産したり、解雇や契約終了などの会社都合により退職した場合、「特定理由離職者」とされます。会社都合で失業した場合は、給付日数が自己都合退職よりも長くなることがあります。また、自己都合であっても理由次第で「特定理由離職者」になります。

  • 会社の倒産
  • 解雇や給与未払い
  • 親の介護などの家庭の事情
  • 大きな病気を患った
  • 転勤や結婚などで住所が変わり通勤が難しくなった
  • 保育園が見つからなかった

会社都合退職や特定理由離職者の給付期間は以下になります。

被保険者だった期間
区分1年未満1年以上5年未満5年以上10年未満10年以上20年未満20年以上
30歳未満90日90日120日180日
30歳以上35歳未満120日180日210日240日
35歳以上45歳未満150日240日270日
45歳以上60歳未満180日240日270日330日
60歳以上65歳未満150日180日210日240日

雇用保険の基本手当の申請方法は?

では雇用保険の基本手当を実際に申請しましょう。なお、育児休業給付金や介護休業給付金は会社から申請を行いますので、取得希望の場合は、事前に担当部署に相談しましょう。

申請方法
  1. 受給資格の確認を行う
  2. 勤務先から離職証明書類をもらう
  3. ハローワークで申請する
  4. 受給説明会を受ける
  5. 認定と受給

受給資格の確認を行う

ハローワークによると受給資格は以下のように定められています。

  1. ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること。
  2. 離職の日以前2年間に、被保険者期間(※補足2)が通算して12か月以上あること。
    ただし、特定受給資格者又は特定理由離職者については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可。

出典:ハローワークインターネットサービス

基本手当は求職希望者であり、1日でも早く再就職したい方が対象です。そのため、出産・育児、傷病などの理由によりすぐに働けない方は対象外です。

勤務先から離職証明書類をもらう

離職するときに会社から「雇用保険被保険者証」「雇用保険被保険者離職票」が渡されているはずです。

雇用保険被保険者証は雇用保険番号の確認に必要ですのですので失くさないようにしましょう。また、雇用保険被保険者離職票は2枚ありますので気をつけましょう。

ハローワークで申請する

離職証明書類が確認できたら、ハローワークで求職の申し込みと基本手当を申請します。ただし、申請には以下の書類が必要になります。

必要書類
  • 雇用保険被保険者離職票(2枚)
  • マイナンバーカードか通知カード
  • 印鑑
  • 証明写真(縦3c㎡×横2.5㎝)
  • 通帳(普通預金)

基本手当の申請を行うと「雇用保険受給者初回説明書」の日程を教えてもらえますので、説明会までは求職活動に専念することになります。

待機期間について

求職申込と基本手当の申請を済ませた後の1週間は「待機期間」となり、この期間は受給対象外となります。受給説明会、失業認定などを経てから支給になるため、実際に基本手当を受給できるようになるまで1ヶ月以上かかります。

受給説明会を受ける

事前に指定された日にハローワークに行き、「雇用保険受給者初回説明会」を受けます。説明会は以下の持ち物が必要になります。

必要な持ち物
  • 雇用保険受給資格者のしおり
  • 筆記用具
  • 印鑑

認定と受給

説明会を受けた後、求職活動をしながら失業認定を受けるのを待ちます。失業認定日までに就職できなければ、基本手当の受給が開始します

就職が決まれば当然基本手当の受給はありません。

※基本手当の受給期間は延長が可能です。詳しくは以下をご覧ください。
基本手当(失業保険)の受給期間延長 『基本手当(雇用保険)の受給期間延長』最長で3年間の延長が可能

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