『出産手当金』産前産後休業の収入を補助

出産手当金

制度について

対象者

健康保険の被保険者で、産前産後休養(産休)を取得した女性

補助金額

標準報酬月額の平均額÷30日 × 2/3 × 産休の日数

申請方法

健康保険出産手当金支給申請書を提出する

近年は働く女性も多く、妊娠をすると産休や育休を申請する人もいるでしょう。そんな時に利用できるのが出産手当金という制度です。出産育児一時金と似ているため、違いがよく分からないという人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は出産手当金の概要や申請方法について解説していきます。

出産手当金とはどのような給付制度?

出産手当金は会社勤務で健康保険に加入している女性が申請することで、受給することができます。産休に入り収入が減少する女性の負担を減らすために作られました。

出産育児一時金とは違うの?

出産手当金は出産育児一時金と間違えられやすいのですが、別の制度になります。

この2つの違いは以下になります。

出産育児一時金出産手当金
目的出産費用の負担を軽減産休で収入減になる女性従業員の生活補償
支給管轄国民健康保険・健康保険自治体(国民健康保険)または勤務先の社会保険
対象国民保険・社会保険の加入者もしくは被扶養者勤務している妊娠中の女性
支給額42万円休業前の給与より算出

出産育児一時金=出産費用の軽減

出産育児一時金は出産費用での負担を軽減させるためにできた制度で、国民健康保険、企業で加入している健康保険、そして旦那さんの扶養になっている方など健康保険に加入していれば対象となります。

出産手当金は女性のみが申請することができますが、出産育児一時金は男性も取得対象となります。

産休は女性しか取れませんが、育休は男性も取れますので、そのように考えるといいでしょう。

支給額は赤ちゃん1人の出産につき一律42万円が一括支給されます。赤ちゃん1人につきですので、双子や三つ子などの多胎児の場合は42万円×人数です。

※ただし、産科医療保障制度に未加入の医療機関で出産する場合や、妊娠22週未満で出産する場合は、40万4,000円になります。

出産育児一時金については以下を参考にしてください。
出産育児一時金 『出産育児一時金』子ども1人につき42万円を支給

出産手当金=産休中の収入支援

出産手当金は会社勤務をしている女性が妊娠出産によって休業する期間の家計への負担を軽減するための給付制度で、勤務先が加入している健康保険組合から支給されます。

また、支給額は出産育児一時金のように固定されているわけではなく、産休前の12ヶ月間の給与から支給額が決まります。

出産手当金の受給金額は?

では実際に出産手当金を申請してどれくらいの期間適用されて、いくら貰えるのか確認していきましょう。

適用期間について

出産手当金は産前産後合わせて98日間が支給期間となります。ただし、出産予定日が遅れれば遅れた分の日数が98日間に追加されます。

なお多胎児の場合産前産後合わせて154日間が対象期間です。申請してから1~2か月後に一括支給されます。

支給額は産休前の給与で決定

出産手当金の支給額は産休前の給与から決定しますので、人によって異なります。1日あたりの支給額の算出方法は以下になります。

  • 1日あたりの支給額:支給開始日前過去1年間(12ヶ月)の標準報酬月額の平均額÷30日×2/3
  • 1日当たりの支給額×98=出産手当金の支給総額
計算例

標準報酬月額の平均額=20万円の場合

20,000÷30=6,666円(1日の平均) ※1円未満切り捨て
6,666円×0.666=4,430円(日額平均の3分の2)(10円未満切り捨て)
4,430円×98=434,140円(総額)

なお、出産が予定日よりも遅れた場合は、その日数分加算されます。

(例)3日遅れた場合

4,430円×3=13,290円
434,140+13,290円=447,430(総額)

ちなみに産後の56日間は変動しません。

ただし、会社の健康保険に加入して12ヶ月を満たさない場合は、支給開始日より前の各月の標準報酬月額の平均と健康保険に加入している全社員の標準報酬月額の平均を比較し、少ない方の額が適用になります。

出産手当金は女性なら全員受給できる?

では出産手当金の対象者について詳しくみていきましょう。産休中に有給休暇を消化する場合や、出産を機に退職する場合などかまざまなケースがありますので見ていきましょう。

出産手当金の受給者の条件は?

出産手当金を受給するにはいくつか条件があります。

  1. 健康保険に女性本人が加入していること
  2. 妊娠86日以上であること
  3. 産休中である

出産手当金はご自身で会社勤めをしていて会社の社会保険に加入している方が対象となります。健康保険に加入していればアルバイトでもパートでも対象となります。

また、妊娠4ヶ月を過ぎている必要があります。(つまり安定期に入るくらい)過ぎていれば、早産や流産、死産、人工妊娠中絶になった場合でも対象となります。

ちなみに企業によっては産休中も給与の何割かは毎月支払われるところもあります。この場合は、出産手当金の受給額を給与が上回った場合は受給対象外となりますので気をつけましょう。

退職者は対象?

会社勤めをしていたけど出産を機に退職するという場合は、会社の社会保険から抜けて国民保険か、旦那さんの扶養に入ることになります。ただし、退職していても3つの要件を全て満たせば受給してもらえます。

  1. 退職日まで健康保険に1年以上継続して加入している
  2. 支給期間内に会社を退職すること
  3. 退職日に勤務していないこと

退職する前日までの1年間の間で社会保険に1日でも加入していない期間があると受け取れなくなってしまうため気をつけましょう。。1年以上勤務しつづけていれば問題ないでしょう。

また、支給期間が定められていますので、この支給期間に退職すれば受給されます。

そして、退職日に勤務していないことも受給条件となります。。もし出産を機に退職しようと考えているなら、退職日を相談する必要があるでしょう。

産休に有給を利用したら対象になる?

出産手当金は産休中の生活を保障するための給付制度です。そのため、有給休暇は給料が支払われますので、原則的には対象となりません。ただし、給与の金額が出産手当よりも少ない場合は、その差額が支給されます。

また、有給休暇以外でも勤めている企業の規定で、産休中でも給与の何割かが支払われることがあります。この場合も、有給使用時と同様に給与の方が少なければ支給されます。

産休中の給与は企業にもよりますが、産休前の給与の約3分の2が相場となっていますので、有給休暇の方が多くなる傾向があります。職場復帰後に有給休暇をどれくらい利用するのかも考えながら検討しましょう。

扶養に入っている方や国民保険の方は対象外

出産手当は

  • 旦那さんの扶養に入っていて、健康保険に本人加入していない場合
  • 国民健康保険の加入者(自営業など)

は対象外となります。

あくまで女性本人が会社に所属していて社会保険に加入していなければなりません。

出産手当金の申請方法

出産手当金を受給してもらうには申請する必要があります。産休を取る時に有給休暇消化する場合、そして退職の場合で、受給資格の是非が決まったり、支給額が異なることがあります。

出産手当の申請方法をしっかりと確認してから申請を行いましょう。

①出産手当金の要項をしっかりと確認する

出産手当金の受給資格を確認しておきましょう。健康保険の加入期間、産休取得予定などで判断しましょう。特に有給を利用する方や退職予定の方は対象外にならないように日程を組みましょう。

②申請書や必要書類を用意する

社会保険事務所から発行されている申請書をもらいます。勤めている企業の総務部などの担当部署で準備してもらうか、申請者が自分で用意しましょう。

なお、申請書はダウンロードすることもできます。

必要書類は会社に申請してもらう場合は、自分で用意するのは申請書のみとなります。

③申請書に本人・会社・医師が記入する

申請書の内容は

  • 本人情報記入
  • 医師・助産婦記入
  • 事業主の証明
  • 例外の場合の添付資料

となっており、本人が記入するだけでなく、医師や助産婦さんに記入してもらう欄もありますので、持っていって書いてもらいましょう。

④申請書を提出する

必要事項にすべて記入したら健康保険出産手当金支給申請書を会社に提出する(主に郵送)か、健康保険組合や教会けんぽに提出します。

⑤出産手当金の一括支給

申請から1~2ヶ月で指定の銀行口座に一括で振込になります。

なお、出産手当金は産休開始日の次の日から2年間が申請期間となり、過ぎると時効となってしまって申請できなくなりますので注意しましょう。

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